為替相場は俺の思い通りに動く

と勘違いをしていたときの日記です

天才誕生!(風が止む)【FX投資家デビュー物語】

謙虚さを失った人間は、必ず失敗する

2004年12月。10月21日の完勝トレードで、私は自信を深めていた。その後のトレードはまちまちも、私は毎月の目標利幅を作った、利幅2.0円。元手100万円を10万通貨で運用。毎月利幅2.0円を取れば、手数料やスワップ金利を考慮しなければ、約20万円だ。

月の利回り20%。年利240%。悪くない、いや出来すぎな感じもするが、自信があるときは、低すぎる目標かなとさえ思っていた。世界的なファンドでさえも、年利30%程度であることは知っていた。もちろん、彼らは多額の資金を運用するのだから仕方ないものの、ファンドに任せるなんてアホらしい選択だと思っていた。

しかも、私はそれをメルマガだけで伝えていた。今月はこれだけ勝つと。そして、なぜかよく当たる予想も配信していた。相当のおバカさんだ。

なお、投資には予想は必要ない、予測が必要だという人もいる。だが、人は投資をする際、上がると思うから買い、下がると思うから売る。ファンダメンタルズ分析でもテクニカル分析でも同じだ。予想は必要だ。予想を予測や認識と言葉を変えても同じことだ。言葉遊びをしても仕方ない。


そして、投資家は将来を予想するために、情報を集める。米金利がいくら、株価がいくら、GDP速報値がいくらと情報を集めるだけでは、ただの情報屋だ。

「その情報から、結局何がいえるのか。どうなるのか」の結論がなければ、投資には役立たない。これは、職業でコンサルタントをしているときに徹底的に教わった。

しかし、私は調子に乗っていた。。。私の予想は、将来の相場を物語るものではなく、自分の利益を作り出す「魔法」のシナリオ作りになっていた。まるで、ナポレオンが夢を見て、冬の時期にロシアに攻め入るように。。。

2004年12月14日。ドル円相場は105円前後。市場では、米双子の赤字を理由に、ドルは100円割れをするとの意見が強い。市場はすっかり、ドル安一辺倒になっていた。

私は105円台から106円を試す展開と予想。再び市場センチメントとは反対だ。予想から言えば、当然ドル買い。しかし、私は105.00円でドル売りから入った。なぜなら、この日、目標の利幅まであと1.01円必要だった。105円でドル買いをすれば、1.01円の利幅を得るには、106円台を上抜けなければならない。さすがに、106円は重いと思っていた。

そこで、まずドル売りで0.3円程度とって、その後の反転で105円半ばで決済すれば、十分利幅1円を超えるな、と。その日は、注目の米貿易収支の発表があった。相場が上下に振れる可能性は高い。一時的な下振れを取れる、と私は思った。


すざまじい勘違いだ!
いや、すざまじい自信だ。調子が良いときは、誰もが自分を天才と勘違いする。


多くの宗教では、神様に願うのではなく、神様に選ばれるような行動を取りなさいと教える。まさに、調子に乗りやすい人間の性質を言い当てている。聖書を読めば、栄華をきわめた王様は調子にのって、神様から罰を受ける。人はいかに愚かな存在か。

さて、14日に戻ろう。私に必要な利幅は1.01円。予想レンジは104円後半から105円後半だ。私は、次の投資シナリオを立てた。

「今晩発表される米10月貿易収支は予想よりも、悪化するだろう。その際、一時的にドル売りにレートが振れるはずだ。しかし、それはきっと騙しで、深夜にかけてドル買いになる。そうならば、一時的なドル売りで利幅を取り、すぐに買いポジションを取れば良い。105円で新規売りポジション104.70円で決済して、利幅0.3円。その直後、新規ドル買いポジション、それなら、105.50円で決済をしても十分に1円を超える」と。

まるで、市場を思いのまま操る「神」のごとき、投資イメージだ。このトレードがイメージとおりになれば、まさに「魔法」のシナリオであろう。

そして、米10月貿易収支の発表。
発表された数値は、予想を大きく上る悪化。

「いただき!完璧なシナリオだ!
風は、私のために吹く!!!」


が・・・


ドル円相場は、104.70円まで下落する前に、急騰・・・


・・・さらに上昇・・・


含み損・・・
(あかん、ここで損切りしたら目標達成は無理や)


(ア、アホな。。。
予想通りじゃん、俺の。104.70円を除いて。。。)


レートは、105.80円で小休止・・・


その後は振り返りません。結果的に、ドル売りポジションの積み増しナンピンをして、結果勝ち取引になったのですが、それはたまたま。もし、ドルがさらに買い戻されていたら、大きな損失を被るところでした。

私の描くシナリオは、事実の積み重ねから将来の為替レートを予想するシナリオから、利益を自分の意のままに操る「魔法」のシナリオになっていたのです。


風はもう私のために吹かなくなっていました。


そして同月、日本一の間抜けな取引をするにまで、落ちていくのです。