外貨への投資人気は近年、外貨預金からFXに移っています
外貨預金は従来から、日本人に人気がある外貨の金融商品でした。一番の理由は、高金利と言うフレーズです。ただ、2005年には残高が減少したとの統計もあります。
「外貨預金」の仕組みは、基本的に円建て預金と変わらず、手持ちの円を外貨に変えて預け、外貨を再び円に戻して受け取るというものです。外貨の対象は、基軸通貨のドルを中心に、高金利のオーストラリアドルやニュージーランドドルが人気があるようです。
外貨預金は、「預金」と言う言葉どおり、外貨ベースでは元本保証です。しかし、あくまで、元本保証は外貨ベースです。円ベースでは、何も元本は保証されていません。
外貨預金は結局、為替変動の影響を受けた元本投資です
手数料を除いて、外貨預金の利回り等を試算をしてみます。100万円の資産を、ドル建て1年定期預金で、1ドル=100円、金利2.0%で運用するとします。
100万円ですので、1万ドルのドル預金額となります。
当初の円額 | 1年後のレート | 為替差損 | 金利利益 | 1年後の円額 |
---|---|---|---|---|
100万円 | 100円 | 0円 | +2万円 | 102万円 |
100万円 | 95円 | ▲5万円 | +2万円 | 97万円 |
100万円 | 105円 | +5万円 | +2万円 | 107万円 |
これだけを見ると、資産運用として、まずまずかなと思います。しかし、外貨預金には、割高な手数料がかかります。
往復で、1ドルにつき2円以上。上記の例で言えば、1万ドルですので、2万円以上の手数料がかかります。(高金利のオーストラリアドル、ニュージーランドドルなどは、さらに高い手数料がかかります。)
手数料を考慮して、もう一度表にして見ます。
当初の円額 | 1年後のレート | 為替差損 | 金利利益 | 手数料 | 1年後の円額 |
---|---|---|---|---|---|
100万円 | 100円 | 0円 | +2万円 | ▲2万円 | 100万円 |
100万円 | 95円 | ▲5万円 | +2万円 | ▲2万円 | 95万円 |
100万円 | 105円 | +5万円 | +2万円 | ▲2万円 | 105万円 |
この数字の意味は何でしょうか。
結局は、為替差損で結果が決まると言うことです。利息分は手数料で消えます。元本保証の預金とは言えないでしょう。
さらに、投資家にとって不利なことがあります。外為投資や外貨建てMMFが常時換金可能なのに対して、基本的に、定期性外貨預金は当初に決めた期日にしか円に戻せません。
1年後にしか換金できない場合、それまでに如何にドル高が進み為替利益が出ていても、その時点では換金できません。外貨預金の利益は、ほぼ為替差損なのに。
そうした問題を解決する為に、もし途中で、定期預金を解約をすれば、割安なペナルティーレートの適用になります。普通預金や為替変動をヘッジできる商品もありますが、そうした商品の金利は円建てとほとんど変わりません。
ちなみに、金利には20%の源泉徴収がかかります。つまり、税金がかかります。
当初の円額 | 1年後のレート | 為替差損 | 金利利益 | 手数料 | 税金 | 1年後の円額 |
---|---|---|---|---|---|---|
100万円 | 100円 | 0円 | +2万円 | ▲2万円 | ▲0.4万円 | 99.6万円 |
100万円 | 95円 | ▲5万円 | +2万円 | ▲2万円 | ▲0.4万円 | 94.6万円 |
100万円 | 105円 | +5万円 | +2万円 | ▲2万円 | ▲0.4万円 | 104.6万円 |
ついに、購入時レートと戻しのレートが同じ場合でも、元本割れと試算されます。外貨預金で資産が増えるときとは、幸運にも円安が進んだときのみと言えそうです。
合理的に考えて、外貨預金を資産運用として行うのは、様々な問題を抱えています。すでに、外貨預金を行っている方は、もう一度考え直してみてはいかがでしょうか。
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